薬用資源教育研究センター



薬用植物園と研究室のあゆみ

昭和41(1967)年7月、薬学部が矢作地区より西千葉キャンパスに統合移転した際に薬学部校舎の周辺に移設され、故萩庭丈壽千葉大学名誉教授の下に精力的に整備されてきた薬用植物園は、昭和51(1976)年5月官制上、薬学部附属薬用植物園として設置された。昭和60(1985)年4月、池上文雄助手が生薬学研究室から配置換され、附属施設として一層の整備拡充に当たった。構内・館山圃場ともに生薬学を始めとする薬学領域の実践的な教育や研究の場として有効に活用されると共に、校舎に緑を添え、また、四季折々の花を咲かせて、薬学生を始めとする全学的な憩いの場ともなった。一方,館山圃場は昭和43年(1968年)に館山市近郊の山本地区に設けた館山暖地性薬用植物栽培試験圃場(約8500平方メートル)に始まり今日に至っている.
平成6(1994)年6月、2研究室(生体機能性分子、遺伝子資源応用)と薬用植物園(池上文雄助教授)から構成される薬学部附属薬用資源教育研究センターの発足に伴い、附属薬用植物園はセンターの構内・館山圃場として名を変え、その役割を継承することとなった。とりわけ、構内圃場は、通称「薬草園」と呼んで、薬学部キャンパスに隣接する立地条件から、学部学生の講義・実習の実践の場や他学部学生の教育・研究の場としての役割も担ってきた。さらには、「夏休み薬草教室」などを通して、地域の人々が薬草を知る啓発活動の場としても活動してきた。



全国に先駆けての薬用資源教育研究センターの発足にあっても、薬用植物園はその構成施設であったが、平成13(2001)年4月、大学院薬学研究院と大学院医学薬学府が設置された折、五十嵐一衛研究院長(当時千葉大学副学長、現千葉大学名誉教授)の尽力により薬用植物学研究室となり、薬用植物園を活動拠点とした研究・教育ができる体制が出来上がった。
平成15(2003)年4月、千葉大学に全学の共同利用研究施設である環境健康フィールド科学センターが発足し、池上助教授が配置換となった(薬学研究院兼務)。これに伴い、実務的には薬用植物園の管理者は不在のかたちとなったが、附属薬用資源教育研究センターの各センター長が中心となって管理運営に当たり、「薬草園」は教育・研究に活かされて現在に至っている。
薬用植物園は、天然の医薬品素材や遺伝子資源応用の研究における薬用資源植物の系統保存や育種と供給の場として、更には「生物多様性保全」の生きた研究・教育の場として極めて大切な責務があり、両圃場において研究材料植物も然ることながら日本薬局方収載の生薬基原植物等の多くの植物種を栽培し維持管理してきた。現在、構内圃場には約900種、館山圃場には約100種の草本樹木類が教育・研究の目的で各地より集められ栽培されている。