研究室紹介

教授のご挨拶

2016年4月1日より、薬物学研究室に千葉寛教授の後任として着任いたしました。半世紀以上にもわたり、動態・代謝の研究領域を中心に著名な先生方を輩出した伝統ある研究室の教授を引き継がせていただく機会を与えていただきまして、身の引き締まる思いが致します。私は、ドラッグデリバリー技術を研鑽しながらも、新たな医療原理を薬理学的観点から考案し、体内・細胞内における動態学的な解析/予測をしながら製剤の設計し、具現化できる。これらの一連の流れを担える人材を育成したいと考えています。
本研究室では、下記のような研究テーマを推進して参りたいと考えています。このような研究を進める上では、「体内・細胞内動態解析(Pharmacokinetics)」、「細胞の理解(Biology)」、「素子の合成(Chemistry)」、「アセンブル技術に基づくナノ粒子の構築(Physics, Nanotechnology)」など、非常に広範囲の知識と技術が必要となります。薬学以外の研究者の方とも共同研究を推進したいと思っていますし、他の学部の卒業生の皆さんの研究室への参加もウェルカムです。「薬学」というこれら全ての学問の複合科学領域のバックボーンを生かして、世界に通用する技術開発を皆さんと共に目指していきたいと思っています。興味がありましたら、是非ご連絡いただけましたら幸いです。

薬の動きや作用を解析・予測・制御する次世代技術の開発
薬物学研究室では、低分子化合物から各種高分子に至る様々な薬が最大限に薬効を発揮し、さらに副作用を軽減することを目的とした研究をすすめています。より具体的には、薬が作用し、消失する機構を『解析』し、ヒトにおける現象を『予測』する技術を開発しています。さらに、薬の動きを体内、さらには細胞レベルで『制御』するための薬物送達技術(DDS)の開発を進めています。
ヒトにおける薬の動態や機能を解析・予測するための実験系として、マウスの代謝酵素やトランスポーターを遺伝子的にヒトのものと置き換えた「ヒト化マウス」や、独自に確立したヒト不死化細胞を組み合わせたin vitroヒト組織モデルを開発しています、さらに、細胞内環境応答的に機能する脂質様材料を用いたナノ医薬品の開発もすすめています。これらの技術を融合させながら、次世代の医療へ貢献する創薬・創剤技術を切り拓いていきたいと考えています。

Innovative technologies for understanding, predicting and controlling drug disposition
The research in our laboratory is focused on developing novel, pioneering methodology that will permit us to understand and predict pharmacokinetics and pharmacodynamics to maximize the pharmacological action, and to minimize the side effects of various drugs. To accomplish this, we are developing drug delivery systems (DDS) that will permit the pharmacokinetics and intracellular trafficking of drugs to be controlled. Our research includes the use of humanized animals to predict the profiles of drug metabolism and toxicity in humans, and the use of immortalized cell-based innovative human tissue models for drug discovery and development. As a DDS platform, we are developing intracellular environment-responsive lipid like materials. By the fusion of these technologies, we hope to establish new innovative principles for understanding human medication.

教授概要

薬物学研究室 担当教科
薬学への招待II (1年次)
薬剤学IV (3年次)
臨床薬物動態学(3年次)
薬理学実習

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略歴

受賞歴

  1. Outstanding Paper Award in 1st Chapel Hill Drug Conference and Tenth Liposome Research Days Conference “Intranuclear disposition of exogenous DNA, a mechanism of difference in the transcription activity between adenovirus and lipoplex” 2006年5月(Chapel Hill, USA)
  2. 第13回コニカミノルタ画像科学奨励賞、「1遺伝子リアルタイムイメージングを用いたアデノウイルスとの細胞内動態比較に基づく次世代人工遺伝子ベクターの開発」2007年2月8日
  3. 平成19年度 日本薬学会北海道支部例会奨励賞 「遺伝子細胞内動態解析の新規定量的評価の確立と人工ベクターの律速段階の同定」2007年12月1日
  4. 日本薬剤学会第25年会 奨励賞「イメージングを基盤とした細胞内遺伝子動態の定量化システム構築と人工キャリア開発への展開」2010年5月13日
  5. JPharmSci 2010 Top Reviewer 2010年11月
  6. 平成23年度 日本薬学会奨励賞「細胞内遺伝子・核酸の定量的・動的イメージングを基盤とした細胞内動態解析及びその制御に関する研究」2011年3月28日
  7. 第4回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム ベストプレゼンテーション賞 2010年11月27日
  8. Top Reviewer in the Pharmaceutical Sciences cluster; Elsevier (2011)
  9. JPharmSci 2012 Top Reviewer 2012年11月13日
  10. 第5回日本DDS学会奨励賞「細胞内イメージングを駆使したナノ粒子動態解析情報に基づく遺伝子送達ナノ粒子の創出」2013年7月5日
  11. 第24回インテリジェント材料・システムシンポジウム 高木賞「環境応答性脂質様サーファクタントを基盤としたナノ遺伝子・核酸DDSプラットフォーム」2015年1月19日
  12. 一般財団法人 油脂工業会館 平成27年度 優秀論文表彰(優秀賞)「Molecular tuning of a vitamin E-scaffold pH-sensitive and reductive cleavable lipid-like material for accelerated in vivo hepatic siRNA delivery」2015年2月19日
  13. 平成26年度 北海道大学研究総長賞(奨励賞) 2015年3月11日
  14. JPharmSci 2015 Top Reviewer 2015年10月
  15. 平成27年度 北海道大学研究総長賞(奨励賞) 2016年2月3日
  16. 2020年度 日本薬学会学術振興賞 2020年3月25日
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